この度、Walls Tokyo では、高橋常政個展「Treetop flyer ツリートップフライヤー」を開催する運びとなりました。
高橋常政は1949 年東京生まれ。創形美術学校で学んだのち渡欧し、ウィーン派の中心メンバーであったエルンスト・フックス、ルドルフ・ハウズナーに師事。
帰国後にイラストレーションの仕事を始め、並行して画家として個展等で作品を発表してきました。
さまざまな絵画技法に精通し、ひたすら「絵を描くこと」を追求してきた高橋は、技術に裏打ちされた画力、知識に培われたイマジネーション溢れる表現力でどんな仕事でもこなし、膨大な制作量のみが可能にする、他の追随を許さない唯一無二の世界観を確立しました。
どこかユーモアの漂う作風からは、自身を型に嵌めることを拒否し、清濁入り混じった絵の道を腕一つで渡ってきた自信と朗らかさが感じられます。
彼の作品には、批判力や寛容さを備えつつ全力で仕事に打ち込む、そんな経験を積み重ねた人のみが獲得できる自由があると言えるのではないでしょうか。
効率の良さや合理性、有用性が偏重される昨今、回り道することでしか見つからない世界にある美しさを実証するかのように高橋は、現在も美術表現における可能性を追求し続けています。
本展は、1980 年代から近年までの高橋常政の仕事を概括的にご紹介するものとなります。
ぜひ、ご高覧ください。