1970年代、日本ではまだ油絵よりも古いテンペラ画の技法についてあまり知られてない頃、テンペラ画に強く魅了された高橋常政は、1974~78年ヨーロッパに渡り、ウィーン幻想派の巨匠エルンスト・フックスと、ルドルフ・ハウズナーに師事しました。
そこで古典的な混合技法を学びます。
混合技法は、油絵とテンペラ画の中間的な技法です。
繊細な筆使いで色彩を重ねている高橋の作品は、混合技法で会得した技術が活かされています。
現在高橋は、ポスター、本屋雑誌などの分野で数多くのイラストレーションを手がけるなど幅広く活躍しています。
とくに若い世代から支持されているその作風は、今という時代の感覚に共有しているといっても過言ではないでしょう。
本展では、高橋の混合技法による作品、版画、印刷物のためのイラストレーションの原画などをあわせてご紹介いたします。